この記事は次のような方向けです
- これからネットショップを始める方
- ネットショップが既にあり、これからFacebookやTwitterとの連携を考えている方
- 既にFacebookやTwitterと連携しているけど放置プレーの方
つまり、既にバリバリと連携してウハウハの方には関係のないお話です。
そもそもネットショップとFacebook・Twitterの連携は必要なのか?
新規構築やリニューアルのご相談の際に、必ずと言って良いほど「Facebook・Twitterとの連携をしたい」と言われます。そんな時私は以下の質問を投げかけます。
- 個人的にもFacebook・Twitterを普段から使用して使い慣れているか
- 具体的な使い方のイメージは持っているのか
- 通常業務に加えてこれらのツールを使って情報発信をする時間はあるのか
掘り下げるともっと他にも検討すべき事柄はあるのですが、まずはこの3つの内容を考えて欲しいです。この質問で全て「YES」であれば、連携しても良いと言えるでしょう。そうでない場合は一度立ち止まって考えて欲しいところです。
個人的にもFacebook・Twitterを普段から使用して使い慣れているか
もちろん、普段使い慣れていないけれどもネットショップ運営と同時並行でこれから模索していくというのも結構です。しかし、慣れていない人はこういうリスクを知っておくべきです。(以下、FacebookやTwitterなどを以下「SNS」とまとめます)
- SNSは不特定多数の人が目にします
- いいことだけでなく悪いことも誰かに見られる可能性があります
- いいことだけでなく悪いことも拡散してしまいます。悪いことの拡散の方が大きく早いです
SNSとの連携をしたいと考える場合、基本的にはいいことばかりに目がいきがちですが、悪いことも同時に発信されてしまします。
ショップ側としては、自ら悪いことを発信していくつもりはないでしょう。しかし、ふとしたきっかけで思いがけずに悪いように進んでしまうことがあります。
俗にいう炎上です。
SNSにおける炎上のきっかけ
最も分かりやすいのはクレームです。SNSというのはショップ側からの発信ツールというだけではありません。ユーザーからの連絡ツールとしても機能します。そしてそのやりとり内容は他のユーザーの目にも触れています。
最近ではFacebookにおいては丸亀製麺のざるうどんのざるにカビが生えていた事件が有名です。
「竹すだれがカビだらけ」 丸亀製麺のFacebookページに客が写真投稿 運営企業が公式サイトで謝罪
これは単純にFacebookに投稿されてしまったために広がったというだけのものではありません。対応の悪さ(連絡が遅かったなど)をFacebook上にて他のユーザーも目にすることになり、その対応に対して腹を立てるユーザーが続出。そもそも神戸の会社のくせに讃岐を名乗るな!などとこれ自体とは無関係のクレームにまで発展してしまっております。
ネットショップというところではZOZO TOWNの社長のつぶやき炎上事件が有名です。
ゾゾタウン社長が客にマジギレ→ツイッター炎上→謝罪→送料無料へ
購入者が1,050円の商品を購入したけど送料入れると1,750円になってしまったことに対するちょっとした不満をつぶやいたところ、社長自らが逆上してしまいました。これは軽率と言えばそれまでですが、虫の居所が悪い時についなんてことは、人間だったらあり得ます。
最初に不満を漏らした本人は別に気にしてないですよ〜のようなコメントをしていますが、このやり取りはネット上であっという間に広がって、中には「もう二度とZOZO TOWNで買い物しない」などの発言をする人まで出て来ました。
具体的な使い方のイメージは持っているのか
SNSは流行を通り越して、コミュニケーションツールとしてもはや当たり前の存在になりました。そのツールの具体的な活用方法をイメージしているのかを改めて考えてみましょう。
連絡ツールとしての活用
先のクレームがみんなに見られてしまうリスクを思い出し、それでもプラスに転じられる対応能力があるかを考えましょう。それだけならまずはメールや電話等で十分ではないでしょうか。
情報発信ツールとしての活用
価値ある情報を定期的に発信出来る能力があるかを考えましょう。「ただいまセール中」「●●が20%引き」毎日こういう情報を発信し続けるくらいの発想はNGです。ショップ側としてはユーザーに有益な情報を流していると思うかもしれませんが、たとえるならCMだけのテレビです。
通常業務に加えてこれらのツールを使って情報発信をする時間はあるのか
経験上、この視点を見落としている方が非常に多いです。通常業務に加えて確実に仕事が増えるんです。
SNSへの投稿は思いのほか時間を取られます。先に述べた炎上などを意識しながら、ユーザーにとって有益な情報を考える時間。原稿作成や写真撮影など、要するに新聞や雑誌の記者のような仕事が必要なのです。その時間的ゆとりと能力などがあるか、今一度お考え下さい。
まとめ
今回の記事ではネットショップとSNS連携におけるネガティブな面ばかりの内容ですが、記事の意図は「これだけ一般化したものだから導入しないといけないんじゃないか?」と、何となく焦っている方に、今一度その必要性やリスク、掛かる労力などを考えるきっかけになって欲しい、そして安心して今は導入しなくてもいいかなと思ってもらえればと思って書いています。
ECコンサルティングの現場において、特にTwitter・Facebookが流行り始めた当時、誰もがとりあえずというノリで導入をしました。またコンサルタントも有効な活用方法を見いだせていない中で、使いながら有効な活用方法を模索していくつもりで導入を促進してきました。
そういった期間を経て、改めて振り返ると見えて来たものがたくさんありました。
それが今回のお話の内容です。ちゃんと活用出来ているショップって、全体の数パーセントくらいじゃないかな?特に小規模で運営されているショップさんなんかは放置プレーも多いし、自動投稿(ショップで何か売れたら売れました!とツイートしてくれるなど)、自ら発信するにしても新商品のお知らせなどなどです。言い方は悪いですがこの程度のレベルだと誰でもやってます。だから面白くもないし、それをやったからといってSNS経由で商品を買ってくれる人って数百人に一人くらいです。そう言う意味では無駄ではないかもしれませんが、その程度であればやっていなくてもほぼかわりはないでしょう。
ですから、SNSとの連携は焦って今すぐやらなくても大丈夫!
あるいは既に中途半端にやっている方、とりあえず今はやめちゃいましょう。中途半端にやっていると、何も成果がない期間、あるいはしばらく投稿していない時の「ああ、なにか書かなきゃ」という精神的ストレスの方が損害が大きいです。
ということで、まずは基本的なネットショップの運営から注力しましょう。SNSでの成功事例や有効な活用方法的なことはまた別の機会に書きたいと思います。